H&Mの責任

H&Mは、買い手としても売り手としても多くの市場で活動しています。国際小売企業として、H&Mは、当社商品が生産される現地市場に大きな影響を与えています。そのため、責任を持って行動し、長期的視野に立つことが求められます。CSR(企業の社会的責任)は、戦略的重要性がますます増しており、H&Mの基本的価値観に完全に一致しています。

私たちの活動によって、人々と環境がどのような影響を受けるのか。その責任を取ることは、収益性の維持と成長の両立を目指すH&Mにとって重要かつ不可欠です。

行動規範が道しるべに

H&Mの行動規範は、ILO条約および国連の子どもの権利条約に基づくもので、この分野における活動の基本となっています。行動規範には、以下の要件が盛り込まれています。


  • 現地労働法の遵守
  • 法定賃金と法定労働時間
  • 団結権と団体交渉権
  • 児童労働の禁止
  • 差別の禁止
  • 強制労働の禁止
  • 職場の健康と安全
  • 現地環境法の遵守

すべてのサプライヤーを監視

H&M商品の生産に関わるすべての工場は、行動規範の適用対象となっています。行動規範は、当社サプライヤーとサプライヤーが利用するあらゆる下請会社に適用されます。生産条件の追跡調査のための体制、完全監査プログラム(FAP:Full Audit Programme)も同様の範囲が適用対象となります。ただし、布地やボタンなどの材料生産者に関しては、監視プログラムの適用外となっています。

H&Mが新規サプライヤーと協力を開始する時や既存サプライヤーが新たな下請会社を採用する時には、徹底的なFAP監査が実施されます。その目的は、対象となる工場の状態を可能な限り正確に把握すること。監査には300を超える質問項目が盛り込まれており、1回の監査につき完了までに2~6営業日を要します。

H&Mは、合計およそ50名の監査員を雇用しています。監査期間中、監査員は、工場を視察し、雇用契約、タイムシート、給与支払い報告書などの文書を精査し、工場の従業員と経営陣に聞き取り調査を行います。監査終了時には毎回、調査結果についてサプライヤーと話し合います。そのうえで、不十分な点があれば、サプライヤーに対し、改善計画を立てるために一定期間を与えます。改善措置の実施状況については、監査員が追跡調査を行います。次回のFAP監査は、約2年後に実施を予定し、それが新しい改善サイクルのスタート地点になります。

2006年、H&Mは、追跡調査に伴う視察の方法の構築に集中的に取り組みました。特筆すべきは、数々のワークショップを開催したことです。ワークショップでは、監査員たちが集い、経験を交換し、可能な改善点について討議しました。

第三者による監視体制の強化

H&Mでは、継続的な改善に努めています。それは、サプライヤーによるH&M行動規範の遵守状況を監視する方法についても当てはまります。このような事情から、2006年、H&Mは公正労働協会(FLA:Fair Labor Association)に加盟しました。

FLA加盟により、FLAによって、中国の当社サプライヤーの工場に対して独立監査が実施されると同時に、H&Mに対しては行動規範の追跡調査体制のレビューが行われることになりました。その結果は、FLAのウェブサイト www.fairlabor.org で2007年中に公開されます。

FLAとの協力は、重要な品質保証になるだけでなく、H&Mが追跡調査をいかに効果的に行っているか、ステークホルダーの皆様に示す方法の1つにもなっています。

課題解決には協力が必要

生産国で直面する課題は複雑で、多くのレベルにその原因があります。そのため、アパレル産業に立ちはだかる困難に対抗しようとするには、他者との協力が欠かせません。

そのなかでも特筆すべきは、H&Mがカンボジア工場改善プログラムを支援していること。国際労働機関(ILO)が運営するこのプログラムは、カンボジアの衣料品工場で雇用されている人たちの労働条件改善を目指す取り組みです。活動のなかには、研修や第三者による監視も含まれています。また、H&Mは、MFAフォーラム・バングラデシュにも参加しています。参加者の顔ぶれは、買い手企業約10社の他、バングラデシュ政府代表、国内業界団体、世界銀行、世界的な労働組合組織であるITGLWF(国際繊維被服皮革労組同盟)、その他多数の団体などです。

世界レベル・現地レベルでの慈善活動

H&Mは、長年にわたり、世界・現地の両レベルにおいて、さまざまなかたちの慈善活動に参加してきました。H&Mは、事業を展開する現地の社会的発展を促進するプロジェクトを優先させています。そうしたプロジェクトは、主として、女性と子ども、教育に焦点を当てたものです。H&Mの顧客の大多数が女性であり、繊維産業で働く人のほとんども女性であることがその理由です。

ユニセフとのパートナーシップにより、H&Mは、世界レベルでも現地レベルでも協力可能な、全世界に認められたパートナーを得ることができました。また、ユニセフとのパートナーシップは、多数の市場において、現地の協力プロジェクトに参加することにもつながっています。プロジェクトの一部は、さまざまな目的のための資金集めをしています。H&Mの店舗と販売スタッフは、こうしたプロジェクトで重要な役割を果たしています。

また、過去5年間にわたり、H&Mは、英国で設立された慈善団体、ウォーターエイドを支援しており、2006年には5万8000ポンドを寄付しました。この金額は、この目的のために特別にデザインされ、昨年H&Mの全販売市場で販売されたビキニの売上金額の10%に相当します。

この他、H&Mは、衣類などの支援を切実に必要としている災害被災者に対する援助も行っています。戦争や地震などの災害が、世界各地の人々を苦しめています。H&Mは、販売進出国のすべてにおいて、広く認められた援助団体と協力しており、さまざまな理由でH&Mの品質基準を満たせず不合格となった衣類を寄付しています。言うまでもありませんが、安全基準を満たさなかった衣類に関しては寄付をしていません。

コットン問題への取り組み

H&Mは、綿栽培による環境への影響の削減に対して積極的に貢献したいと考えています。H&Mの戦略には、2つの側面があります。1つは、オーガニックコットン(有機栽培綿)の需要拡大に貢献することで有機綿栽培を振興すること。そしてもう1つは、従来の綿栽培法を改良すること。2006年、H&Mは、30トン近くのオーガニックコットンを自社の衣料品に混合使用しました。

2007年度の目標は、少なくとも100トンのオーガニックコットンをセレクトした衣料品にブレンドすること。それに加えて、H&Mは、2007年中に100%オーガニックコットンを素材としたコレクションを立ち上げることも予定しています。また、H&Mは、有機綿栽培の振興に取り組む、オーガニック・エクスチェンジという団体に加盟しています。

しかしながら、依然としてコットンのほぼすべてが従来の方法で栽培されているのが現状です。従って、オーガニックコットン振興に向けた取り組みに並行して、H&Mは、ベター・コットン・イニシアチブ(BCI)に参加し、従来型の綿栽培法の改良に取り組んでいます。目的は、従来型の綿栽培の悪影響を測定可能な程度、低減すること。この協力体制は、世界自然保護基金(WWF)の主導により2004年に開始されました。

H&M、エコラベルを拡大

2005年から、H&Mは、欧州連合(EU)の公式エコラベル「フラワー」の使用を認可されています。フラワーラベルは、綿花から完成品に至るまでの生産チェーン全体を通じて、有害物質が制限されていることと水質汚染が低減されていることを表します。また、フラワーラベルの品質基準は、その衣類に形と色を保つ能力があることを意味します。

2006年には、フラワーラベルのついたベビー服が、H&Mの店舗でおよそ19万枚販売され、前年の7万5000枚に比べて著しい伸びを示しました。お客様からの需要が高いため、2007年には、ベビー用品の他の分野にもエコラベルを拡大する計画です。

気候変動――二酸化炭素排出量

二酸化炭素の排出量を削減することで、気候に与える影響に歯止めをかける。そのための取り組みが、H&Mの環境活動の重要な部分を占めています。それには、主として、商品輸送と店舗や倉庫でのエネルギー利用による二酸化炭素の排出量を削減することが必要です。この活動について詳しくは、www.hm.com/csr でご覧いただけます。

H&M、サステナビリティ・インデックスに採用

H&Mは、ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・ワールドやFTSE4グッドをはじめとする、数々のサステナビリティ・インデックス(持続可能性指数)に採用されています。こうしたインデックスの目的は、社会・環境の面で持続可能な投資先を機関投資家が選びやすくすることです。



企業責任

CSR(企業の社会的責任)は重要な戦略課題であり、また、社会的責任を担うことはH&Mの基本理念に完全に一致しています。

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